オランダ1部で2009年に八百長未遂、協会が公表
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【2月16日 AFP】オランダサッカー協会(KNVB)は15日、2009年に行われたエールディビジ(1部リーグ)の試合で、元シエラレオネ代表のイブラヒム・カルグボ(Ibrahim Kargbo)が八百長を試みていたと公表した。オランダでこのような事例が確認されるのは初めて。
公式ウェブサイトに掲載した声明で、KNVBは「プロサッカーにおいて八百長が行われたことを、初めて正式に確認した」と述べている。
当時、南部ティルブルフ(Tilburg)を拠点とするヴィレムII(Willem II)に所属していたカルグボは、「(八百長ブローカーの)ウィルソン・ラジ・ペルマル(Wilson Raj Perumal)氏と取引して、2009年8月9日のユトレヒト(FC Utrecht)戦でわざと負けるよう仕組んだ」という。
2011年、大規模な八百長ネットワークを取り仕切っていたペルマル氏は、フィンランドで有罪判決を受けた。
KNVBの調査によれば、カルグボは、メール交換でペルマル氏との取引を進め、2点以上の差でヴィレムIIが敗れることを約束し、八百長の見返りに2万5000ユーロを受け取ることになっていたという。
カルグボは問題のメールの中で、当時の主将マイケル・アーツ(Maikel Aerts)と、もう1人の選手が、協力してくれそうだと話していた。しかしKNVBによると、試合結果が1-0での勝利だったため、金銭の受け渡しは行われなかったという。
KNVBの運営責任者は、「オランダサッカーは、その高潔さにおいて、欧州における最後のとりでとも言える場所だった」と述べ、「八百長が国境を超えることは知っている。それでもヴィレムIIにとっては受け入れがたい出来事だし、ファンや現役選手にとっても厳しいものになった」と続けた。
過去にも八百長への関与を疑われ、すでに代表チームを追放されているカルグボは、オランダサッカーからも永久追放を言い渡された。一方で、協力の意思を見せていたという選手らについて、KNVBは「マイケル・アーツが関わったとされる十分な証拠は見つからず、もう1人の協力者についても不明」としている。
これを受けたカルグボは15日、オランダの地方紙「ブラバンツ・ダグブラッド(Brabants Dagblad)」に対し、八百長に関与したことはないと繰り返し伝えた。
「八百長に関与したことはないし、金銭を受け取ったこともない」
「警察と一緒に、KNVBが疑惑の根拠としているメールを見た」
「メールは僕が送ったものではなかった。僕は魔女狩りの標的にされたんだ」
(c)AFP