ジカウイルス、小頭症児の脳内で発見 ブラジル
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【2月16日 AFP】ブラジルの研究チームは15日、小頭症の新生児の脳内でジカウイルスを発見したと発表した。蚊が媒介するジカウイルスと先天異常の小頭症との関連を示す証拠がまた一つ増えることになるという。
ブラジル病理学会(Brazilian Society of Pathology)の病理学者、ルシア・ノローニャ(Lucia Noronha)氏は、AFPの取材に「ジカウイルスの存在を脳組織内で検出した」と語った。
「ジカウイルスは、脳の損傷を引き起こしていた。このことは、ジカウイルスと小頭症の関連を示す強力な証拠となる」とノローニャ氏は指摘した。
今回の発表に先立ち、ブラジルのパラナ・カトリック大学(Parana Catholic University)のノローニャ氏の研究チームは、妊娠した女性の羊水内でジカウイルスを初めて発見した。これにより、脳に損傷を受け、頭部が異常に小さい状態で生まれる小頭症新生児とジカウイルスとの関連をめぐる懸念が高まっていた。
ノローニャ氏は「われわれは、ブラジルのオズワルド・クルツ財団(Oswaldo Cruz Foundation)から脳組織のサンプルを受け取った。これは米国に送られたのと同じもので、米疾病対策センター(CDC)の研究者らも、胎児の脳内にジカウイルスが存在するという、われわれと同じ結論に達した」と話した。
ブラジルは、ジカ熱の大流行で最も大きな被害を受けており、感染患者数が約150万人に上っている。大抵の場合、症状はほとんどないが、妊娠した女性が感染すると、先天異常を持つ子どもが生まれる恐れがあることが懸念されている。
同国保健省によると、昨年10月から今年2月までに、小頭症の症例が462件発生している。この他、小頭症が疑われる事例が3852件に上っているという。(c)AFP