M・ストリープさん、白人男性中心の映画制作業界を批判
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【2月15日 AFP】アカデミー賞(Academy Awards)を3度受賞した米女優のメリル・ストリープ(Meryl Streep)さん(66)は14日、ドイツ・ベルリン(Berlin)で開催中の第66回ベルリン国際映画祭(Berlin International Film Festival)で行った若手俳優向けの講演で、米映画制作各社の重役から白人男性が減らない限り、ハリウッド(Hollywood)の多様性をめぐる問題は解決できないと述べた。
映画祭の審査員長を務めるストリープさんは世界各地から集まった若手俳優300人を前に特別講義を行った。その際、40年以上にわたる女優人生の間に業界で性差別や人種差別は減ったかと問われ、「とても前向きな方向に動いていると思う。テーブルで自分の場所を確保するには、声を出して他の人をどかせ、椅子を持ってきて会話に参加させてもらわないといけない」と語った。
その上で「でも私たちの業界では、何事も重役レベルがどの程度多様かで決まってくる」と指摘。「1つの集団のみによって全てが決定され、その人々の好みによってどんな映画が作られるのかが決められるのならば、特定の種類の映画しか作られない」と批判し、40~50代の白人男性に「自分たちの最初の妻や母親についての話」に関心を持ってもらうのは難しいとも嘆いた。
米映画界をめぐっては、性別による報酬の格差や、アカデミー賞の演技部門の候補を2年連続で全員白人が占めたことが激しい論争を招いている。
ストリープさんはベルリン映画祭の初日、中東の映画を審査する資格があると思うかとの質問に対し、人間の起源が共通であることを強調した発言で、賛否両論を巻き起こしていた。
ストリープさんは「さまざまな文化的背景を持つさまざまな役を数多く演じてきたけれど、それを通じて気付いたのは、あらゆる文化を貫く人間性の核のようなものがあること。私たちは全員、アフリカに起源がある。私たちは実際のところ、全員がベルリン人であり、アフリカ人でもあるのです」とコメント。
これに対し、ソーシャルメディア上では「#wereallafricans(私たちは全員アフリカ人)」とのハッシュタグを使ってストリープさんの問題意識に疑問を呈する声が次々投稿された一方で、より広い意味での寛大さを呼び掛ける発言だったとして擁護する声も上がっている。(c)AFP/Deborah COLE