【2月16日 AFP】モロッコ中部の砂漠都市ワルザザート(Ouarzazate)郊外で今月4日、同国初となる太陽光発電所の操業開始を祝う式典が開かれ、モハメド6世(Mohamed VI)国王らが出席した。

 式典には、モロッコのアブデリラー・ベンキラン(Abdelilah Benkirane)首相やフランスのセゴレーヌ・ロワイヤル(Segolene Royal)エコロジー・持続可能開発・エネルギー相ら、地元や海外の当局者が出席した。この発電所は、モロッコが掲げるクリーンエネルギー生産増加目標に向けて一つの到達点とみられている。

 今回、操業が開始されたのは「ヌール(Noor)」と命名された太陽光発電所の第1段階、ヌール1(Noor 1)で、発電能力は160メガワット。サッカー場600面以上分の広さの土地に、50万枚の太陽光パネルが設置されている。この発電所により、モロッコは温暖化ガスの排出量を大幅に削減できる見通しとなった。

 太陽光発電所の次の段階──ヌール2(Noor 2)とヌール3(Noor 3)──はそれぞれ今年と来年に完了する予定で、ヌール4(Noor 4)への出資申し込みもすでに始まっているという。

 すべてが完了すると、総出力500メガワットの「世界最大の集光型太陽光発電所」となり、開発者らによると、2018年までにモロッコの100万人以上に電力を供給できるようになるという。また、モロッコの二酸化炭素(CO2)排出量を年間76万トン削減できる見通しで、この削減量は、世界銀行(World Bank)の統計によると、2011年のモロッコのCO2排出量5650万トンの約1%に相当するという。

 2030年までに4倍になると見込まれる電力消費に対処するため、太陽光などの再生可能エネルギーの生産増加を目指しているモロッコは、昨年には、南西沿岸部タルファヤ(Tarfaya)で、アフリカで最大級となる風力発電所を稼働させた。

 来年の国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)第22回締約国会議(COP22)の開催国であるモロッコは、温室効果ガスの排出量を2030年までに32%削減することを目標としている。(c)AFP