【2月12日 AFP】米オハイオ(Ohio)州クリーブランド(Cleveland)で模造銃を手にした黒人少年(当時12)が警官に撃たれて死亡した事件で、少年の救急搬送費用が遺族に請求されていたことが分かり、市長が11日、謝罪に追い込まれた。

 事件は2014年11月、黒人の少年タミル・ライス(Tamir Rice)君が白人の警官に撃たれたもの。ライス君は数時間後に搬送先の病院で死亡した。

 防犯カメラの映像から、ライス君が公園でウエストポーチから模造銃を取り出したところへパトカーで駆け付けた警官が、現場到着から数秒のうちに発砲したことが確認されている。

 この事件は全米に衝撃を与えたが、このほどライス君の救急搬送にかかった費用500ドル(約5万6000円)の請求書が、遺族宛てに郵送されていたことが判明。国民の怒りをさらにあおることになった。

 米大統領選で民主党候補指名を目指すヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官も、「思いやりに欠ける。クリーブランド市は請求を取り下げるべきだ」とマイクロブログのツイッター(Twitter)で批判した。

 非難の声が高まる中、クリーブランド市のフランク・ジャクソン(Frank Jackson)市長は11日、記者会見を開いて過ちを認め、ライス君の遺族に謝罪。他の市幹部らと共に、請求書は所定の手続きに従って発送されたが、本来は遺族ではなく保険会社に宛てて作成されたものだったと釈明した。(c)AFP