【2月12日 AFP】米中央情報局(CIA)のジョン・ブレナン(John Brennan)長官は、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の戦闘員が化学兵器を使用した事例があり、塩素ガスやマスタードガスを少量ながら製造する能力を持っているとの見解を示した。米CBSニュース(CBS News)が11日、報じた。

 CBSニュースは、14日の報道番組「60ミニッツ(60 Minutes)」で放送予定のブレナン長官のインタビューを抜粋して公開。この中で、ブレナン長官は「ISIL(ISの別称)が戦場で化学兵器を使用している実例が多数ある」と述べた。

 さらに、CIAではISが少量のマスタードガスや塩素ガスを兵器として製造する能力を持っているとみていると指摘。「ISIS(ISの別称)は、化学前駆物質と化学兵器を入手し使用することが可能だ」と語った。

 ブレナン長官はまた、ISが資金調達のため化学兵器を欧米へ輸出しようとしている恐れがあるとも警告した。

 これに先立ち、米情報機関を統括するジェームズ・クラッパー(James Clapper)国家情報長官(Director of National Intelligence)は9日、米議会で「ISILは、びらん性毒ガスであるサルファマスタードガスをはじめとする有毒な化学物質を、イラクとシリアで使用している」と議会で報告していた。

 クラッパー長官によれば、過激派集団が化学兵器を生産し攻撃に使用した事例は、1995年に日本のオウム真理教(Aum Supreme Truth)がラッシュ時の東京の地下鉄で起こした「地下鉄サリン事件」以来、初めてだという。(c)AFP