野生のゾウ大暴れ、建物100棟損壊 インド東部の町
このニュースをシェア
【2月11日 AFP】インド東部の町で10日、野生のゾウ1頭が数時間にわたって暴れ回り、家屋や店舗などの建物約100棟を損壊させた。州の森林担当相が明らかにした。
ゾウが迷い込んだのは、コルカタ(Kolkata)から北に約580キロのシリグリ(Siliguri)。撮影された写真には、市街地に迷い込み、混乱した様子で次々と建物に突進するゾウと、慌てて逃げ回る住民らの姿が捉えられていた。
インド・西ベンガル(West Bengal)州のビナイ・クリシュナ・バーマン(Binay Krishna Barman)森林担当相は、AFPの電話取材に「群れからはぐれて近隣の森林からさまよい出たゾウがシリグリに迷い込んだ。市内は5時間近くにわたってパニックに陥った」と述べた。また、市内の通りを自由に走り回ったため、家屋や車が多数損壊している。
最終的には、森林当局者が麻酔銃を使い取り押さえたが、その間、石を投げつけるなどして、ゾウを追い払おうとする人々の姿も見られた。
バーマン森林相によると、ゾウは隣接するスクナ(Sukna)村の森林地帯に運ばれたという。
避暑地ダージリン(Darjeeling)への玄関口にあるシリグリ。ここには数多くのゾウが生息しており、中には森林沿いの線路を横断する際に列車にはねられて死ぬものもいる。
インドでは、人とゾウと遭遇が後を絶たないが、大半は農村部で発生している。これについて野生動物の専門家らは、ゾウの生息環境の破壊が主な原因の一つだと指摘している。(c)AFP