【2月11日 AFP】インド南部タミルナド（Tamil Nadu）州の大学構内で先週発生し、バス運転手1人が死亡、3人が負傷した爆発について、米航空宇宙局（NASA）は10日、隕石（いんせき）が原因だった可能性は低いとの見解を示した。

　6日に起きたこの出来事について、タミルナド州当局は、隕石の落下が原因と発表していた。現場からは謎の物体が回収され、地元の科学者らによって現在も分析が続けられている。

　だがNASAはAFPの取材に、写真を精査した結果、この物体は隕石ではないと考えられるとの見解を示した。

　NASA広報担当のドウェイン・ブラウン（Dwayne Brown）氏は、声明で「地元の科学者チームにより今後、さらに詳細な情報が公開される見込みだが、これが宇宙空間から飛来したものである可能性は低い」と述べている。「ネット上に投稿されている画像にみられる大きさの穴を形成するには、数キロ以上の重さの隕石が必要と思われる」という。

　地元当局は、大人の手のひらより少し小さいくらいのサイズの青い物体を現場近くから回収し、この物体によって地面に穴が開いたと主張している。また大学からは、この出来事によって構内の建物が損傷したとの報告があった。

　今回の出来事の2日後、タミルナド州のジャヤラリタ・ジャヤラム（Jayalalithaa Jayaram）州首相は、謎の物体が隕石であると発言し、世界中に議論を巻き起こした。

　物体を調査するためのチームを派遣したインド天体物理研究所（Indian Astrophysics Institute）のG・C・アヌパム（G.C. Anupama）所長によると、同チームによる分析はまだ完了していないという。

　アヌパム所長は、AFPの取材に「調査チームは、この出来事について調べている地元警察からサンプルを受け取った。物体の正体については、専門家らの詳細な分析を経てからでないと判明しない見通しだ」と語った。(c)AFP