先進国の双生児出産、40年間でほぼ倍増
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【2月10日 AFP】双生児の出産件数が先進国で過去40年間にほぼ倍増したことが、8日に発表された研究で明らかになった。研究者らは健康上のリスクとの関連性について警告している。
米人口学専門誌「Population and Development Review」に掲載された研究論文によると、米国での双生児出産は、1975年は出産1000件に対し9.5件だったが、2011年には16.9件とほぼ倍増していた。同様の傾向は他の先進国でもみられ、英国では9.9件から16.1件へ、ドイツでは9.2件から17.2件へ、フランスでは9.3件から17.4件へ、デンマークでは9.6件から21.2件へ、韓国では5.0件から14.6件へ、それぞれ増えている。
研究者らは双生児出産の増加の要因として、排卵誘発や体外受精(IVF)などの生殖技術が生まれた1970年代以降の「医療技術が補助する生殖医療(MAR)」の拡大を挙げている。排卵誘発も体外受精も、1回の妊娠で複数の胎児が宿る確率が高い。
同研究論文の共著者で、フランス国立人口研究所(INED)のジル・ピソン(Gilles Pison)氏は「この確率が上昇し続けるのかどうかは定かでなない。だが、このデータはますます公共衛生上の危機としてみなされつつある」と述べている。
IVFその他の 生殖補助医療(ART)の普及は、経済的に安定するまで、あるいはキャリアを築くまで子どもをつくらないことによる母親の初産年齢の高齢化に伴っていると著者らは指摘している。
米疾病対策センター(CDC)によると、米国では初産の平均年齢は、1980年の22.7歳から26歳へと高齢化している。また35~39歳で第1子を出産した女性は、1970年には1000人に1.7人の割合だったが、2012年には11人と大幅に増えている。(c)AFP