■予想外の多様性

 今回の研究が行われるまで、米国内には50種あまりのタランチュラが生息していると考えられていたが、これらは体系化が不十分で、実際には種が同じでも別の種として誤同定されているものもあった。

 ハミルトン氏と論文の共同執筆者らは今回の研究で、アフォノペルマ属に分類される米国のタランチュラが29種存在し、うち14種が科学史上初めて同定された新種であると指摘している。

 さらに、研究チームは、銀貨ほどの大きさの小型のタランチュラに予想外の多様性がみられることを発見した。

 ハミルトン氏は、AFPの取材に電子メールで応じ「今回の調査で最も注目に値する発見の一つは、米国に(そして高い確率でメキシコに)生息する小型種のアフォノペルマ属タランチュラの多様性だ」と述べた。

 ハミルトン氏によると「今回発見された新種のうち、8種が小型種に分類される」という。タランチュラの小型種は長い期間を経て体の大きさが縮小したと考えられているが、専門家らはまだその理由を解明していない。

 タランチュラは、見かけは恐ろしいかもしれないが、専門家らによると、かみつくことはめったになく、その毒は人間に危険を及ぼすものではないとみなされているという。(c)AFP/Kerry SHERIDAN