【2月4日 AFP】在英エクアドル大使館に3年以上にわたって身を寄せている内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」の創始者、ジュリアン・アサンジ(Julian Assange)容疑者は4日、自らの置かれている状況について国連(UN)が恣意(しい)的拘束にあたらないと判断するならば、5日に大使館を出て英警察に出頭すると述べた。

 アサンジ容疑者は4日に発表した声明で「国連が明日、英国とスウェーデンに対する私の敗北を宣言すれば、これ以上の抗告に有意義な展望は見いだせないので、5日の正午に(エクアドル)大使館を出て、英警察当局による身柄拘束を受け入れる。しかし私が勝利し、国家側の行為が不法だと判断されれば、私の旅券の即時返還と、私を拘束しようとするこれ以上の試みが中止されることを期待する」と述べた。

 アサンジ容疑者は2014年9月に、エクアドル大使館から出られない状態は不法監禁に値するとしてスウェーデンと英国を相手取り、国連人権理事会・恣意的拘禁に関する作業部会(United Nations Working Group on Arbitrary Detention)に訴え出ていた。

 アサンジ容疑者は自らが否認している性的暴行容疑をめぐるスウェーデンへの身柄引き渡しを回避するため、2012年からロンドン西部にあるエクアドル大使館に身を寄せている。エクアドル政府はアサンジ容疑者に亡命を認めたものの、大使館の外では24時間、英警察が監視を続けており、大使館から一歩出れば同容疑者は拘束される状況にある。

 またオーストラリア国籍のアサンジ容疑者は、2006年に自らが創設した内部告発サイト「ウィキリークス」が米国の軍事機密や外交文書を大量に暴露したことをめぐり、最終的に米国に送還され、裁判にかけられることを恐れている。

 ウィキリークスが暴露した情報には、アフガニスタンやイラクにおける紛争に関する軍事機密50万件と外交公電25万件が含まれ、米政府を激怒させている。情報の主要な流出源となった一人、米軍兵士のチェルシー・マニング(Chelsea Manning)受刑者は、スパイ活動取締法に違反したとして35年の実刑を言い渡されている。(c)AFP