ブラジルの家族とジカ熱の苦難、疑われる小頭症との関連
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【2月3日 AFP】マテウス・マルセリーナ・ダ・シウバさんは、息子に大きな夢を抱いていた。「一緒にスポーツをしたり、遊んだり。健康で強くなってほしいと思ってた」。だが、その夢は息子が生まれたときに閉ざされた。小さなピエトロ君は他の子どもたちとほとんど同じように見える。だが、彼の頭は極端に小さくて固い。ピエトロ君は生まれてすぐに小頭症と診断された。
ブラジルでは小頭症で生まれてくる子どもが急増している。保健当局は母親が妊娠時にジカ熱に感染したことが原因とみている。マテウスさんの妻のクライセさんも妊娠中にジカ熱のウイルスを媒介する蚊に刺されたために、ピエトロ君が小頭症で生まれたと医師たちは考えている。
ジカ熱自体の症状は比較的、軽症だ。クライセさんは妊娠5か月のときにジカ熱に感染し、軽いインフルエンザのような症状と発疹に見舞われた。「病院に行ったけれど、赤ちゃんに影響はないと言われた。でも11月22日に息子が生まれると小頭症だと診断された。彼は普通の男の子とは違うんだと分かった」と24歳のクライセさんは言う。
ジカ熱による打撃が大きいバイーア(Bahia)州の州都サルバドール(Salvador)のカトリック病院「シスター・ドゥルス(Sister Dulce)」の待合室。クライセさんが話していると、ピエトロ君が父親の腕の中で身をよじらせた。ピエトロ君の体は硬く、頭も脳が通常の発達を遂げた幼児ほど柔らかくない。小頭症の子どもに典型的な症状だ。ピエトロ君は二人の初めての子で、クライセさんは息子を生んでから泣き続けたという。「今では落ち着いたけど、まだ息子の将来が心配。動いたりしゃべったりできるようになるのかしら」