【2月1日 AFP】シリアの首都ダマスカス(Damascus)郊外のイスラム教シーア派(Shiite)の霊廟(れいびょう)近くで1月31日、複数の爆弾攻撃が起き、在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると71人が死亡、数十人が負傷した。イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出した。

 シリア人権監視団によると、サイイダ・ザイナブ(Sayyida Zeinab)廟近くで2件の爆弾攻撃が発生。死者には子ども5人が含まれている。最初の爆発は車を使った自爆攻撃で、その後、現場に人々が集まったところで2人目の自爆犯が身につけていた爆発物を爆破させたという。シリア国営メディアはこれに先立ち、3度の爆発により50人以上が死亡、100人以上が負傷したと報じていた。

 サイイダ・ザイナブ廟はダマスカスの南にあり、預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)の孫娘が祭られている。巡礼地として特にシーア派信者から崇拝されており、国内の他、イラン、レバノン、イラクからも信者が訪れている。

 スンニ派(Sunni)過激派組織のISは、シーア派を異端とみなし、同派を標的とした攻撃を繰り返している。ソーシャルメディア上に拡散している犯行声明では、「カリフ制国家の兵士2人が、サイイダ・ザイナブ地域の異端者の巣窟で殉教作戦を実行し、50人近くが死亡、約120人が負傷した」と主張している。(c)AFP