【1月28日 AFP】蚊が媒介する感染症で、胎児に深刻な先天異常を引き起こす恐れが指摘されている「ジカ熱」がブラジルを中心に拡大している問題で、ブラジル政府は27日、ジカウイルス撲滅のため近隣諸国に協力を呼び掛けた。また、一部の航空会社は中南米への渡航を予定していた妊婦を対象に、航空券の払い戻しに応じると表明した。

 ジカ熱は、米国や欧州でも中南米から帰国した旅行者の感染が確認されている。現在は蚊に刺されるのを防ぐ以外に感染を予防する方法はなく、有効な治療法もない。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は26日、診断検査の改善とワクチンや治療法の早期開発を呼び掛けている。 

 こうした中、ブラジルのジルマ・ルセフ(Dilma Rousseff)大統領は、「ジカウイルス撲滅に向けた協調行動」の立ち上げのため33か国が加盟する中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)首脳会議の開催を要請した。 

 一方、米アメリカン航空(American Airlines)は、ジカウイルス感染が報告されているブラジルなど11か国・地域への便を予約した妊娠女性への航空券払い戻しに応じると発表した。

 米デルタ航空(Delta Air Lines)も、状況によって払い戻しや便の変更を受け付けるという。(c)AFP/Eugenia LOGIURATTO