【1月26日 AFP】米政府関係者が、英国放送協会(BBC)が25日に放送した番組でロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は汚職に関与しているとして公然と批判した。

 ロシアがウクライナ南部クリミア(Crimea)半島を併合したことを受け、米政府は2014年、ロシア政府関係者の資産凍結など対ロシア制裁を発動していたが、プーチン大統領が汚職に直接関与していると批判することはこれまでなかった。

 しかし、この日、プーチン大統領の「秘密の蓄財」を追及したBBCの番組「パノラマ(Panorama)」に出演した米財務省のアダム・シュビン(Adam Szubin)財務次官代理は、プーチン大統領は「汚職そのものだ」とコメント。「私たちは、プーチン大統領が国有資産を使って自身の友人や側近の懐を肥やす一方で、友人とみなしていない人々を主流から外すのを目にしてきた」と、プーチン大統領の個人資産について、米政府関係者としては異例ともいえる強いコメントをした。

「プーチン大統領は、自分に尽くしてくれると考える人物にはロシアのエネルギー資産でもその他の国有事業でも配分するが、そうでない人物は締め出す。私にとって、これは汚職そのものだ」とシュビン氏は述べ、米政府はこうした行為を「何年にもわたってずっと」把握してきたと付け加えた。

 番組は、米中央情報局(CIA)の2007年の報告書の内容を引用し、プーチン大統領の資産は約400億ドル(約4兆7200万円)に達していると報じた。

 シュビン氏は、「プーチン氏は自身が国から得ている年収は約11万ドル(約1300万円)としているが、これは正確な報告ではない。実際の資産を隠すことに関しては長年、実績を積んでいる」と述べた。(c)AFP