【1月26日 AFP】米国で2件目となる水道水の鉛汚染スキャンダルが、中西部オハイオ(Ohio)州セブリング(Sebring)で発生した。25日には学校の休校措置が取られたほか、地元の浄水施設の運営事業者が虚偽の報告を行っていたとして批判を浴びている。

 セブリングでは数か月前に水道水から高濃度の鉛が検出されていたが、オハイオ州環境保護局(Ohio Environmental Protection Agency)から対応を求められていたにもかかわらず、地元当局が住民に警告したのは先週になってからだった。住民約8100人がセブリングの浄水施設に生活用水を頼っている。

 オハイオ州環境保護局は「(浄水施設)の運営事業者が虚偽の報告を行ったと疑われる理由」があるとして、米環境保護局(EPA)の犯罪担当部門に調査協力を要請したことを明らかにしている。

 セブリングの不祥事に先立ち、ミシガン(Michigan)州フリント(Flint)でも、水処理に関する経費削減後に水道水が鉛に汚染される問題が起きていた。

 10万人が暮らすフリントでは、悪臭が漂う水道水について数か月前から健康被害の恐れが警告され、吐き気を訴える住民も出ていたにもかかわらず、当局が対策を怠ったとの批判が上がっており、特別検察官が任命されて調査に当たっている。

 フリントの問題では、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領も憤りを表明。16日にミシガン州に非常事態を宣言し、汚染水による影響が出ている地区を連邦政府の資金で支援する措置を取っていた。(c)AFP/Mira OBERMAN