仏の移民対応批判するバンクシーの壁画、板で覆われる ロンドン
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【1月26日 AFP】世界的に著名な英国の覆面ストリートアーティスト、バンクシー(Banksy)が、英ロンドン(London)のフランス大使館の向かいにある建物に描いた、仏警察が移民に催涙ガスを使用する場面の壁画が25日、見つかった直後に板で覆われた。
この壁画は、仏作家ヴィクトル・ユーゴー(Victor Hugo)の名作「レ・ミゼラブル(Les Miserables)」の登場人物コゼット(Cosette)が、フランス国旗を持ち、下に置かれた缶から催涙ガスが噴き出す中、泣いている姿を描いたもの。
スマートフォンでスキャンできるQRコードが作品の下部に描かれており、仏北部カレー(Calais)の移民キャンプで今月仏警察が催涙ガスを使う様子を撮影した動画が見られる仕組みになっている。カレーには約4500 人の移民が滞在している。
バンクシーは、カレーの「ジャングル(Jungle)」と呼ばれる移民キャンプで、米アップル(Apple)の共同創業者、故スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏をモデルにした作品を含む三部作を描いている。ジョブズ氏は、米国に渡ったシリア移民の息子。
バンクシーの最新作は、高級店が軒を連ねるロンドンのナイツブリッジ(Knightsbridge)地区にある、再開発中の店の窓に貼られた板に描かれた。
25日朝、多くの見物人が見守る中、建築作業員らがバールを使って作品を取り除こうとした。その後、作品は大きな木の板で覆われた。
建物の開発責任者は、壁画を「保護」するための措置だと語った。警察によると、作品を盗もうとする動きが夜の間にあったという。
バンクシーの作品は数十万ユーロ(数千万円)の価値があるとされる。この覆われた作品の写真は、バンクシーのオフィシャルサイトbanksy.co.ukで見ることができる。(c)AFP