パリ同時テロ首謀者のいとこは「被害者」、家族が告訴
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【1月21日 AFP】昨年11月の仏パリ(Paris)同時テロの首謀者とされるアブデルハミド・アバウド(Abdelhamid Abaaoud)容疑者のいとこで、警察が同容疑者の身柄拘束で急襲した際に死亡したアスナ・アイトブラセン(Hasna Aitboulahcen)容疑者(当時26)の家族が、同容疑者に対する殺人の容疑で被疑者不詳のまま告訴を行った。家族の弁護士が20日、明らかにした。
パリ同時テロ5日後の昨年11月18日、警察はアバウド容疑者とベルギー系モロッコ人シャキブ・アクル(Chakib Akrouh)容疑者が潜伏していたパリ北郊サンドニ(Saint Denis)のアパートを急襲。アクル容疑者は自爆し、アバウド容疑者とアイトブラセン容疑者も死亡した。
アイトブラセン容疑者は、アバウド容疑者とアクル容疑者の隠れ家用の部屋を借りる手配をしたとされている。
AFPが閲覧したアイトブラセン容疑者の母親ら家族名の訴状は、同容疑者を殺害した未特定の人物をテロと殺人の容疑で告訴したもの。
家族の弁護士は「アイトブラセン容疑者は被害者だ」と主張。いとこのアバウド容疑者から、家族や友人に危害を加えると脅されたための行為だったと説明した。
当初、捜査当局はサンドニのアパートで女が自爆したと発表していた。しかし急襲から1日半後になって、がれきからアイトブラセン容疑者の遺体がほぼ完全な状態で見つかり、自爆したのは同容疑者でなかったことが判明した。
弁護士によるとアイトブラセン容疑者の遺体は現在もパリの検視施設に留め置かれているため、家族側は「イスラム教の慣例に反する」として同容疑者の埋葬許可を求めている。(c)AFP