再収監されたメキシコ麻薬王、毎日の食事は犬が毒味
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【1月21日 AFP】脱獄し半年にわたって逃亡した末、今月8日に再び身柄を拘束されたメキシコの麻薬王「エル・チャポ(El Chapo)」ことホアキン・グスマン(Joaquin Guzman)受刑者は今、刑務所で毎日、犬が毒味した食事を食べている――。メキシコ刑務所管轄当局の幹部が20日、ラジオのインタビューで明らかにした。何者かに毒殺される恐れがあるためという。
グスマン受刑者は、昨年7月にトンネルを通って脱獄した警備態勢の厳重なアルティプラーノ(Altiplano)刑務所に再収監された。
メキシコ刑務所管轄当局の幹部エドゥアルド・ゲレーロ(Eduardo Guerrero)氏によれば、グスマン受刑者の食事は同受刑者が手をつける前に「K9」と呼ばれる警察犬たちが毒味をしている。「K9」は3か月前に導入された措置の一環で、メキシコでも悪名高い犯罪者たちが収監されている区画を警備しているという。
「食事は、まず『K9』のうちの1匹が毒味をする。グスマン受刑者を毒殺しようと狙う者がいるかもしれず、刑務所側には同受刑者の健康維持に配慮する責任があるからだ」と、ゲレーロ氏はラジオ番組で説明した。同刑務所に収監されている他の麻薬組織幹部たちの食事についても、同じ措置をとっているという。
グスマン受刑者は、さらなる脱獄を防ぐため再収監されてから既に11回も独房を移されている。再収監された際のグスマン受刑者は意気消沈した様子で、最初の聴取で疲れたと訴えたという。同受刑者は現在、刑務所が与えた小説「ドン・キホーテ(Don Quixote)」を読んでいるという。(c)AFP