【1月20日 AFP】マニー・パッキャオ(Manny Pacquiao、フィリピン)が19日、ティモシー・ブラッドリー(Timothy Bradley、米国)との現役最後の試合に向けたカウントダウンが始まるなか、戦いの舞台がリングから議事堂に変わる日を楽しみにしていると語った。

 2015年5月に行われた、フロイド・メイウェザー・ジュニア(Floyd Mayweather Jr.、米国)との「世紀の一戦」以来の実戦に臨むパッキャオは、宿敵ブラッドリーとの対戦を最後に、グローブを壁にかけることを明言している。

 37歳のパッキャオは、現在フィリピンで下院議員を務めており、引退後は今年フィリピンで行われる上院議員選挙に立候補することを予定している。

 ビバリーヒルズ・ホテル(Beverly Hills Hotel)で記者会見に臨んだパッキャオは、「この試合を最後に引退することに、後悔はまったくない」と語った。

「寂しさを感じるだろう。でも、それが人生というものだ。いつも戦い続けることはできない。ただ、今はそのときだと思う」

「ボクシングを始めたのは私の家族、母親を助けたかったからだ。ボクシングに別れを告げるのは、故郷のみんなを、フィリピンの国民を助けたいからだ。辞めるのは国民に尽くしたいからだ」

 試合は4月9日、米ラスベガス(Las Vegas)のMGMグランド・ガーデン・アリーナ(MGM Grand Garden Arena)で、ブラッドリーの持つWBO世界ウェルター級のタイトルをかけて行われる。

 ブラッドリー(33勝1敗1分、13KO)とパッキャオの対戦はこれが通算3度目になる。2012年の初対戦はブラッドリーが判定2-1で勝利を収めたが、この判定は大きな議論を呼んだ。2014年の再戦ではパッキャオが判定3-0で完勝し、ブラッドリーの無敗記録を終わらせている。

 雌雄を決する今回の対戦について、通算戦績57勝6敗2分(38KO)のパッキャオは、以前よりも厳しい戦いになると覚悟している。

 パッキャオは「再びブラッドリーとの試合を選んだのは、彼が以前とは違うボクサーになっているからだ。すごく成長している」と語った。(c)AFP