八百長報道で全豪オープンが監視下に、若手選手も金銭呈示された経験明かす
このニュースをシェア
【1月19日 AFP】テニス界に不正がはびこっているとの報道を受け、全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2016)が監視の目にさらされている。そんな中、この日も八百長を持ち掛けられたと明かす選手が出てきた。
オーストラリアのメディアによると、警察が現在メルボルン(Melbourne)で開催中の全豪オープン1回戦の疑わしい結果を監視しているという。
英国放送協会(BBC)と米ニュースサイト「バズフィード(BuzzFeed)」が18日、四大大会(グランドスラム)優勝者を含む16人のトップ50選手が、過去10年間で賭博シンジケートの八百長に繰り返し関与した疑いがあると伝えたことが、今回の件の発端となった。
バズフィードによると、四大大会(グランドスラム)のシングルスとダブルス覇者を含むその16選手のうち「半数以上」が全豪オープンに出場しているという。
同日には、世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が、2007年にロシアで開催されたサンクトペテルブルク・オープン(St.Petersburg Open 2007)で八百長を持ち掛けられたことを明かしている。
一方、オーストラリアのタナシ・コキナキス(Thanasi Kokkinakis)は豪ラジオ局3AWに対し、フェイスブック(Facebook)を通じて八百長の標的にされたと明かした。
19歳で世界ランク86位のコキナキスは、「知り合いでもない人から唐突に『試合に負けたらこれだけの額を君に払うよ』と言われた。(その人物を)ブロックして、そんな訳の分からないことは忘れて、自分のすべきことに集中しようとした」とコメントしている。
さらには、男子テニスの国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup)の元英国代表選手、アルビンド・パーマー(Arvind Parmar)氏もかつて札束の入った封筒を差し出されて、試合を放棄するよう呼び掛けられたと明かした。
パーマー氏は英紙タイムズ(The Times)に対し、2004年にオランダで行われた下部ツアーのチャレンジャーシリーズ(ATP Challenger Series、現ATPチャレンジャーツアー〈ATP Challenger Tour〉)の試合開始1時間ほど前に、「ユーロ札でいっぱいの封筒を差し出されて、2セットで負けるよう持ち掛けられた」と語った。
「知りもしない男に、練習コートを出るときに呼び掛けられた。彼は落ち着かず、緊張しているようで、いくつか言葉を交わしたら、手の中に封筒を押しつけようとしてきた」
「相当な額、数万ユーロだった。大会の優勝賞金よりも多かっただろう。あのレベル多くの選手からすれば、1年間で稼ぐような額だった」
(c)AFP/Talek HARRIS