【1月18日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2016)開幕直前に、プロテニス界での不正の横行が突如報じられたことを受け、男子プロテニス協会(ATP)のクリス・カーモード(Chris Kermode)会長は18日、八百長の証拠もみ消しを否定した。

 英国放送協会(BBC)と米ニュースサイト「バズフィード(BuzzFeed)」は17日、告発者がリークした機密ファイルを引き合いに出し、ATPが八百長への対応を誤ったと報じたが、カーモード会長はこれをきっぱりと否定した。

 報道では、過去10年間に四大大会(グランドスラム)覇者を含めた世界トップ50の16選手に八百長の疑いがかけられているものの、参戦が許可されたままになっているとしており、その中の8選手がグランドスラム初戦である今年の全豪オープンに出場しているという。

 豪メルボルン(Melbourne)でカーモード会長は記者団に対し、不正防止機関「テニス・インテグリティ・ユニット(TIU)とテニス協会幹部は、八百長の証拠が何らかの理由でもみ消されたり、全面的に調査が行われなかったりしたという話を断固として否定する」と語った。

「さらに、BBCとバズフィードは10年ほど前の出来事について言及しているが、新たな情報があれば、われわれは調査を行うことにしている。常にそうしている」

 BBCとバズフィードは、リークされたファイルには2007年にATPが行ったという調査の報告書の詳細が含まれていたとしている。カーモード会長は、ロシアのニコライ・ダビデンコ(Nikolay Davydenko)とアルゼンチンのマルティン・バッサージョ・アルグエージョ(Martin Vassallo Arguello)の試合に関するその調査では、十分に証拠が集まらなかったと語っている。

 ロシアやイタリアの賭博シンジケートが八百長によって大金を手にしていることが、調査で明らかになったと報じられているが、「中核」となる16選手は処分の対象となっておらず、記事は2008年に設置されたTIUの有効性に疑問を呈している。

 カーモード会長はこれに対し、TIUではこれまでに6度の永久追放を含め18度処分が認められているとし、「情報や疑惑、うわさを対比しながら証拠を見つけなければならない」と付け加えた。

「テニス界にいるわれわれが、このスポーツの中で行われる、あらゆる形の不正を撲滅することに全力を注いでいることは言わせてもらいたい」

「いかなる違反も許さない方針だ。自己満足などしていない。非常に警戒している」

(c)AFP