【1月31日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2016)は30日、女子シングルス決勝が行われ、大会第7シードのアンゲリク・ケルバー(Angelique Kerber、ドイツ)は6-4、3-6、6-4で第1シードのセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)に勝利し、四大大会(グランドスラム)初優勝を飾った。

 ケルバーは、プレーにむらがあった女王セレーナに番狂わせを演じると、ドイツ人選手としては、1999年の全仏オープンテニス(French Open)を制したシュティフィ・グラフ(Steffi Graf)氏以来となるグランドスラムでの戴冠を遂げた。

 世界ランク1位のセレーナは、過去にメルボルンパーク(Melbourne Park)で決勝に進出した6大会をすべて制していたほか、グランドスラムでファイナリストになった直近の8大会では、タイトルを逃していなかった。

 それでもケルバーは、グラフ氏からの激励メッセージを受け取ると、プレッシャーを背負っているのはセレーナの方だと言い聞かせて、強気でプレーに臨んだ。

 その読み通り、思い切ったプレーでセレーナに勝利したケルバーは、号泣しながら「人生をかけて努力してきました。そして今ここにいます。これで私はグランドスラム覇者だと言えます。本当に信じられない」とコメントした。

「この2週間は、これまでの人生とキャリアで最高の時間でした。センターコートに立って、思わず鳥肌が立ちました」

 ケルバーの優勝は、他競技のドイツ人選手にも大きな喜びをもたらし、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)のバスティアン・シュバインシュタイガー(Bastian Schweinsteiger)や、F1ドライバーのニコ・ロズベルグ(Nico Rosberg)が祝福のメッセージを送った。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長も、「本当におめでとう!」と述べ、グラフ氏に代わるチャンピオンが現れたことを祝した。

 28歳で左打ちのケルバーは、これで現在の世界ランク6位から一気に2位まで浮上することが予想されている。

 この大会を通じ、ラリーで積極的に主導権を握ってきたケルバーは、1回戦で土居美咲(Misaki Doi)にマッチポイントを握られるピンチを迎えたものの、ここから驚異の逆転を果たしていた。

 フルセットにもつれこんだ決勝戦で、5度のブレークチャンスの末に第3セットの第6ゲームを奪ったケルバーは、その後にブレークバックを許したものの、最後はセレーナのボレーがアウトになり、ブレークでグランドスラム初優勝を飾った。

 ケルバーは優勝を決めた瞬間、歓喜のあまりコートに倒れ込んだ。(c)AFP/Martin PARRY