【1月16日 AFP】フランスのマリソル・トゥーレーヌ(Marisol Touraine)保健相や神経科医は15日、北西部レンヌ(Rennes)で試験薬の臨床試験中に起きた事故について、薬を摂取したのは90人に上り、うち1人が脳死と判定され、3人の脳に不可逆的な障害が残る可能性があると語った。

 この薬は、ポルトガルの製薬会社バイアル(Bial)が、不安神経症など気分障害の薬として開発。薬の安全性などを調べる第一段階の治験に参加したボランティアの被験者6人が先週、病院に搬送された。

 トゥーレーヌ保健相によると、この6人は28~49歳の男性で、薬を摂取した約90人のグループの一部。試験にはこの他に、偽薬が与えられていた約30人が参加していたという。

 被験者らはさまざまな量の薬を与えられたが、6人は薬を「規則的」に取っていた人たちだった。

 治験が行われたレンヌにある病院のピエールジル・エダン(Pierre-Gilles Edan)神経科部長は、脳死状態に陥った1人に加え、3人が「不可逆的な障害」をうけ、1人に神経障害があると述べた。

 6人目の被験者に障害はでていないが、経過観察が行われているという。(c)AFP/Christian GAUVRY