【1月16日 AFP】アフリカのマリやガンビア出身の亡命希望者らが14日、伊フィレンツェ(Florence)で開催されたメンズファッション最大の国際見本市「ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO)」にモデルとして登場した。ファッショニスタ志望の移民を教育することを目的とした、イタリアのトップファッション界による新たな取り組みだという。

 ボートでの危険な旅を経て昨年5月、イタリアに到着した農民や建設労働者らが、ファッション界で初めてセンターステージに立ち、シャープなデザインのスーツから房飾りがあしらわれたジャンパー、奇抜な帽子までさまざまなアイテムを身に着けた。モデルとなった移民たちは当初、いくらか圧倒されているようにみえたが、独特のモデルウオークをやり遂げた。中には、ステージの端で立ち止まり、カメラのためにスーパーモデル顔負けのポーズを取る人もいた。

 モデルになったのは、アフリカ出身の若い新鋭デザイナーを指導している国際貿易センター(ITC)の「エシカル・ファッション イニシアティブ(Ethical Fashion Initiative)」が移民収容施設で選んだ19~27歳の男性。法的な理由により身元は明らかにされなかった。

 イニシアチブ創始者のシモーネ・チプリアーニ(Simone Cipriani)代表は「イタリアでも巨大な難民危機に直面しているが、移民は人材でもあるということを示したい」とショーの前にAFPに語った。ショーではアフリカ出身の4人のデザイナーのコレクションが紹介された。(c)AFP/Ella IDE