【1月16日 AFP】インドネシア警察当局は15日、首都ジャカルタ(Jakarta)で前日に起きた自爆・銃撃事件について、大規模な過激派ネットワークの関与が疑われるとして全国的な捜査を開始した。14日の事件では、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出している。

 バドロディン・ハイティ(Badrodin Haiti)国家警察長官は記者会見で、事件の背後に大きな過激派支援組織が存在し、共謀者が現在も逃亡している可能性があるとの見方を示した。

「(事件を)計画した者、資金提供者、(爆発物の)材料を用意した者、爆弾を組み立てた者、隠れ家や車両を手配した者などがいる」と同長官は指摘。実行組織の規模が大きい可能性も、小さい可能性もあるとしつつ、「どう見ても、実行犯5人だけで起こした事件ではない。チームワークが必要だ」と述べた。

 この会見に先立ちインドネシア警察は15日、実行犯5人のうち4人の身元を特定したと発表。重武装の警官隊がジャカルタや国内各地で家宅捜索を行い、ISの旗1つと「書籍やポスター」などを押収したことを明らかにした。数人が逮捕されたとの報道もあるが、当局からの発表はない。

 実行犯の身元など詳細な情報もまだ公表されていないが、警察は死亡した実行犯2人は指名手配中のテロ容疑者だったとしている。

 一方でインドネシア当局は今回の襲撃について、マレー系インドネシア人とマレーシア人で構成するISの分派とされる組織「カティバ・ヌサンタラ(Katibah Nusantara)」の犯行だと非難している。同組織が東南アジアで襲撃事件を起こしたのは、今回が初めて。(c)AFP/Olivia RONDONUWU