たんすに眠っていたリラ札100万円相当、ユーロ交換OK 伊裁判所
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【1月16日 AFP】イタリアで、古いたんすの引き出しから既に廃止されたリラ札を大量に見つけた女性が、通貨ユーロに換金する権利を勝ち取った。憲法裁判所が、リラからユーロへの交換期限を2011年と定めた法令を違法とする判決を下した。換金すると、7750ユーロ(約100万円)に相当するという。
リラ紙幣を発見したのは、ベネチア(Venice)在住のビオラ・コロンボ(Viola Colombo)さん。消費者団体アジタリア(Agitalia)によると、見つかった計1500万リラの紙幣の所有権はコロンボさんにあり、ユーロへの換金が認められるべきだとの判決を憲法裁判所が下したという。
判決が出たのは昨年11月5日で、インターネット上に公開された判決文によれば憲法裁判所は、2002年のユーロ導入に伴いマネーロンダリング(資金洗浄)取り締まりの一環としてユーロへの交換期限を2011年12月6日と定めた政令について、憲法違反と判断した。
地元紙コリエレ・デル・ベネト(Corriere del Veneto)によると、コロンボさんは2014年、競売サイト「イーベイ(eBay)」で購入した中古のたんすの引き出しから1500万リラを偶然発見した。引き出しが二重底になっており、そこに10万リラ紙幣150枚が眠っていたという。10万リラは現在の価値に換算すると、約52ユーロに相当する。
しかし、イタリア中央銀行は見つかったリラ紙幣のユーロへの交換を拒否。そのためコロンボさんはアジタリアに相談し、同団体が憲法裁判所に訴えていた。
有識者は、こうした事例が他にも出てくる可能性があると指摘している。アジタリアは今回の判決に基づく交換期間は2月5日までだとして、いまだにリラ紙幣を所有しているイタリア人がいれば名乗り出るよう呼び掛けている。(c)AFP