「中国で有名になりたい」、末期がんの米少年の夢かなう
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【1月15日 AFP】「死ぬ前に中国で有名になりたい」――末期がんに侵された8歳の米国人男児のこんな願いをかなえようと、数万人の中国人インターネットユーザーが続々と写真をオンライン投稿している。
米ロードアイランド(Rhode Island)に住むドリアン・マレー(Dorian Murray)君(8)は、4歳のときに小児がんの一種、横紋筋肉腫と診断された。今月初めにはがんが脳と脊髄にも転移していることが判明し、家族は治療の中止を決断した。
すると、ドリアン君は父親のクリスさんに、「天国に行く前に中国で有名になりたい。あそこには有名な橋があるから」と話したという。有名な橋とは「万里の長城(Great Wall)」のことらしい。
家族が11日、この会話について交流サイトのフェイスブック(Facebook)に立ち上げたページ「Praying for Dorian(ドリアンのために祈って)」で紹介したところ、フェイスブックの利用が禁止されているはずの中国のネット上で、このエピソードが一気に拡散された。
ドリアン君の言葉は中国語に翻訳され、中国のウェブサイトに掲載された。これに数万人が反応し、万里の長城をはじめとする中国各地で撮影した写真にドリアン君一家のハッシュタグ「#D-Strong」をつけて投稿。中国のマイクロブログ「新浪微博(Sina Weibo)」では14日昼までに、「#D-Strong」の使用回数が100万回を超えた。
お堅いことで知られる国営新華社(Xinhua)通信も、心を動かされたとみられ、「愛には魔法の力がある。少年の想像力が、侵入者を防ぐ壁を、海を越えて心と心をつなぐ橋に変えた」と珍しく感動的なコメントを掲載している。(c)AFP