【1月10日 AFP】イタリア北部にある工場の労働者らが、昨年6月に死去した社長から数千ユーロの小切手をクリスマスに贈られ、この思いがけないクリスマスプレゼントに大喜びした。地元メディアが9日、伝えた。

 プレゼントを残したのは、飲料ボトル用のスクリューキャップ(ねじぶた)や合成コルク、ラベルなどの製造企業エノプラスチック(Enoplastic)の創業者、ピエロ・マッキ(Piero Macchi)氏。亡くなる直前、ひそかに遺言書の内容を変え、イタリア・アルプスのボーディオ・ロンナーゴ(Bodio Lomnago)にある工場のスタッフに計150万ユーロ(約1億9000万円)を残した。

 小切手はクリスマス直前に従業員らに手渡された。新規スタッフは2000ユーロ(約26万円)、最古参のスタッフは1万ユーロ(約128万円)と勤続年数に応じた額を受け取ったが、マッキ氏がそれに値すると判断した何人かの従業員は、それ以上を受け取った。

 おいしいワインと機械が好きだったマッキ氏は、趣味を活かして1957年にエノプラスチックを創業、利益の上がるビジネスに成長させた。同社は現在、年間25億個を生産し、80か国以上に製品を輸出している。

「私たちはいつも自分たちを大きな家族だと考えている。クリスマスプレゼントはその証だ」と、従業員の1人は地元紙バレーゼニュース(Varese News)に語った。(c)AFP