ロシアがアルカイダ系組織の刑務所空爆、87人死傷 シリア
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【1月10日 AFP】英国を拠点とする非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)は、ロシアが9日、シリア北西部イドリブ(Idlib)県にある国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系シリア武装組織「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)」の刑務所を空爆し、少なくとも57人が死亡、30人が負傷したと述べた。負傷者の大半は重体だという。同監視団は先に死亡者を39人と発表していた。
同監視団によると、同県マアラト・ヌマン(Maarat al-Numan)のアルヌスラ戦線の建物には宗教裁判所と刑務所があり、人々でにぎわう市場近くに位置する。死亡者の中には、子ども1人と女性2人が含まれるという。
ロシアの空爆により一般市民21人と戦闘員29人、刑務所に収容されていた7人が死亡した。同監視団は声明で、死亡した戦闘員29人のうち23人はアルヌスラ戦線戦闘員だったと述べた。
ロシアは昨年9月30日から、シリアでイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」および「他のテロ組織」を対象に軍用機による空爆を実施している。アルヌスラ戦線とISは両方ともイスラム過激派組織だが互いに激しく対立しており、シリア国内で衝突を繰り返している。
アルヌスラ戦線は他にも、過激派に属さずイスラム法の厳格な解釈を拒むシリア反体制派組織とも緊張した関係にあるが、イドリブ県においては強硬派「アハラール・アルシャーム(Ahrar al-Sham)」を含む他の反体制派組織と同盟関係を築いている。
2011年3月の反政府デモを端緒とするシリア内戦では、これまでに26万人以上が死亡した。(c)AFP