【1月11日 Relaxnews】普段、ただ通り過ぎるだけの駅――旅は、そうした見落としがちな「通過点」を再発見する機会なのかもしれない。世界の印象的な鉄道駅をいくつか紹介したい。

■リエージュ・ギユマン駅、ベルギー

 2009年、ベルギーのリエージュ・ギユマン(Liege-Guillemins)駅の新駅舎は10年に及ぶ建設工事を終え、21世紀にその滑らかな金属の姿を現した。同駅はリエージュ(Liege)のランドマークとなっている。

 2本の鋼のアーチが特徴の駅舎は、スペインの建築家サンティアゴ・カラトラバ(Santiago Calatrava Valls)氏の設計によるもの。地区の名がそのまま駅名に採用された。

■ロンドン・セントパンクラス駅、英国

 英国と欧州大陸を結ぶ高速列車ユーロスター(Eurostar)は2007年以降、ロンドン(London)南部のウォータールー(Waterloo)駅ではなく、市内北部のセントパンクラス(St. Pancras)駅発着となった。

 赤レンガが特徴の歴史ある駅舎は、ビクトリア朝時代のゴシック建築を代表する。マグナカルタ(大憲章、Magna Carta)やグーテンベルク聖書(Gutenberg Bible)を所蔵する大英博物館(British Museum)からもほど近い。もともと英中部ミッドランズ(Midlands)地方への玄関口として設けられた駅で、メーンコンコースには設計を手掛けたウィリアム・ヘンリー・バーロウ(William Henry Barlow)の名が冠されている。

■ニューヨーク・グランドセントラル駅、米国

 米ニューヨーク(New York)のグランドセントラル駅(Grand Central Terminal)は、駅そのものが観光地だ。大きな時計台、ギリシャやローマの彫刻、劇場のようなバルコニーフロア、フランス人によって星座が描かれた緑色の天井などは、訪れる人を過去へといざなう。

 メーンコンコースを進むと、「グランド・セントラル・オイスター・バー&レストラン(Grand Central Oyster Bar & Restaurant)」など、有名レストランや売店が迷路のように続く。120メートルにわたってさまざまな店舗が立ち並ぶグランドセントラルマーケット(Grand Central Market)で、駅構内の旅は終わる。

■金沢駅、日本

 本州中部の日本海に面する都市・金沢の玄関口、金沢駅は、近代建築と伝統美を兼ね備えている。駅前には神社の鳥居のような高さ14メートルの「鼓門」がそびえ立ち、訪れる人々を出迎える。駅舎内は近未来的なデザインとなっており、壮大なガラスのドーム「もてなしドーム」の下には商業施設が並ぶ。屋根はソーラーパネルで覆われ、日本初の環境にやさしい駅とされている。

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