米軍ミサイル、所在不明後にキューバ到着の謎 米紙報道
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【1月8日 AFP】米軍の空対地ミサイル「ヘルファイア(Hellfire)」が欧州から米国への輸送中に所在不明となり、最終的にキューバに到着していたと、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が7日、報じた。
WSJによると、ミサイルに弾頭は搭載されておらず、米政府関係者はキューバ側がヘルファイアを解体することはないとみているが、社会主義国キューバから中国やロシア、北朝鮮への技術流出が懸念され、米調査当局はミサイルのキューバ到着が犯罪がらみのなのか、それとも単なるミスが重なったものかを調査している。
昨年に歴史的な国交回復を遂げた米国とキューバだが、WSJが伝えた匿名の情報筋によれば政府間でのミサイルの返還交渉はうまくいっていないという。
このヘルファイアは、2014年に北大西洋条約機構(NATO)の軍事演習のために米国からスペインに送られていたもので、複数の運輸会社を経由して米国に戻されるはずだった。
ところがマドリード(Madrid)からミサイルを運び出す予定だった飛行機での積載作業中、ヘルファイアの紛失が発覚。仏航空大手エールフランス(Air France)のトラックで仏パリ(Paris)のシャルル・ドゴール空港(Charles de Gaulle International Airport)に輸送された後、キューバ行きのエールフランス便に載せられたことが分かった。
ミサイルの所在を突き止めた時には、エールフランス機は既にハバナ(Havana)に向けて飛び立った後だった。ミサイルはハバナに到着後、キューバ当局に押収された。米国務省がヘルファイアの紛失を知らされたのは2014年6月頃だったという。(c)AFP