【1月8日 AFP】米国は2015年12月、同月としては近代で最も気温が高い1か月を経験した。また2015年全体としては、観測史上2番目に気温が高い年だった。米政府の科学者チームが7日、発表した。

 米海洋大気局(NOAA)から発表された報告書には、現在の温暖化傾向を如実に示す最新データが記載されている。地球規模では、この温暖化傾向により、2015年は1800年代末以降で最も暑い年になると多くの科学者らが予測している。

 2015年の地球規模の気候データは1月20日に公開される予定。

 米国に限れば、2015年12月は「米国本土にとっては記録的な高気温となった。気温は3.7度で、20世紀平均を3.4度上回った」と、NOAAは声明で述べている。

 昨年12月の気温は、これまでの過去最高だった1939年の記録を大きく上回った。

 NOAA国立環境情報センター(National Centers for Environmental Information)の気象学者、ジェイク・クラウチ(Jake Crouch)氏は「昨年12月は極めて異例な月だった」と話す。

 また同月は、121年間の観測史上で初めて「降水量と気温の両方が最高だった1か月」になったと、クラウチ氏は付け加えた。

 科学者らによると、降水量増加の原因の一部は、エルニーニョ(El Nino)傾向と考えられるという。エルニーニョ現象は、赤道付近の太平洋の海水温を上昇させ、世界の一部の地域で降雨量を増やす可能性がある。

 米国の2015年全体の平均気温は、記録が開始された1895年以降で2番目に高かった。

 NOAAは「米国では2012年に次いで2番目の高気温だ」と述べ、2015年までの19年間連続で年間平均気温が20世紀平均を上回ったと指摘した。

 クラウチ氏によると、米フロリダ(Florida)州を含む4州が、記録史上最も暑い年を経験したという。気温が例年を下回った州は一つもなかった。

「2015年は全州で平均を上回る気温だった」とクラウチ氏は述べた。(c)AFP/Kerry SHERIDAN