双子のがんリスク、片方発病で上昇 大規模調査
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【1月6日 AFP】同じ遺伝子を持つ双子の一方ががんになった場合、もう一方の発病リスクも高くなるとする調査結果が5日、発表された。調査は、20万人を対象に行われた。
だが、米国医師会雑誌(Journal of the American Medical Association、JAMA)に発表された研究論文によると、双子の一方の発病は、必ずしも、もう一方が同じがんや何らかのがんになることを意味するものではないという。
実際、一卵性双生児の一方ががんと診断された場合、もう一方のがんリスクは14%ほど上昇するのみだった。一卵性双生児は同一の卵細胞から成長する双子で、2人とも全く同じ遺伝物質を持っている。
2個の卵細胞から成長し、通常の生物学的きょうだいと同程度の遺伝的類似性を持つ二卵性双生児では、片方が発病した際のもう一方のがんリスクの上昇は5%程だった。
調査対象の双子は、デンマーク、フィンランド、スウェーデン、ノルウェーの出身で、1943年~2010年までの期間にわたり追跡調査が実施された。これらの国々はすべて詳細な保健記録データベースを保持している。
グループ全体のがん発症率は、約3人に1人の割合(32%)だった。それを基に計算すると、片方ががんと診断された一卵性双生児のもう片方のがんリスクは46%と算出された。
二卵性双生児の場合、片方ががんと診断された双子のもう片方のがん発症リスクは37%だった。
また、2人とも同一のがんと診断された割合は、一卵性双生児で38%、二卵性双生児で26%だった。
双子で同じがんになる確率が高かったのは、皮膚メラノーマ(悪性黒色腫、58%)、前立腺がん(57%)、非メラノーマ皮膚がん(43%)、卵巣がん(39%)、腎臓がん(38%)、乳がん(31%)、子宮がん(27%)などだった。
論文の共同執筆者で、南デンマーク大学(University of Southern Denmark)のヤコブ・イェルムボルグ(Jacob Hjelmborg)氏は「今回の研究は規模が大きく、追跡期間が長いため、多くのがんに対する重要な遺伝的影響をみることができる」と述べた。
世界では毎年約800万人ががんで死亡している。今回の成果は、この疾患の遺伝的リスクについて、患者や医師が理解を深めるのに一助となる可能性があると研究チームは話している。(c)AFP