【1月5日 AFP】サウジアラビアがイスラム教シーア派(Shiite)指導者の死刑を執行し、シーア派大国のイランの反発を招いている問題で、サウジと緊密な関係を持つスンニ派(Sunni)アラブ3か国が4日、サウジに続いてイランとの外交関係の断絶や格下げに踏み切った。これによりサウジとイランの緊張関係は本格的な外交危機に発展し、世界規模での懸念を招いている。

 この問題では、サウジが著名なシーア派指導者で活動家のニムル・ニムル(Nimr al-Nimr)師の死刑を執行したことに対し、イランが強く反発。両国間の激しい非難合戦となり、まずサウジがイランと断交。さらにバーレーンとスーダンがこれに追随したほか、アラブ首長国連邦(UAE)も外交関係を格下げし、イランに駐在する外交団を召還した。

 今回の危機を受けて、宗派間の暴力の応酬が激化するとの懸念が高まっている。イラクでは4日、スンニ派のモスク2か所が爆破され、2人が死亡した。

 スンニ派の湾岸諸国は、イランが自国の内政問題に繰り返し介入していると非難。バーレーンはイランが湾岸アラブ諸国に「目に余るほどの危険な介入」を行っていると厳しく批判し、UAEもイランによる介入が「前例のない水準」に達していると主張した。(c)AFP/Abdul Hadi Habtor/Arthur MacMillan