【12月29日 AFP】米オハイオ(Ohio)州クリーブランド(Cleveland)で昨年、模造銃を持っていた当時12歳の黒人少年が警察官らの発砲を受け死亡した問題で、同州の大陪審は、関与した警察官2人の起訴を見送った。地元検察当局が28日明らかにした。

 タミル・ライス(Tamir Rice)君は昨年11月、模造銃を持って公園で遊んでいたところ、通報を受けて駆け付けた警察官2人に撃たれて死亡した。同国では本件をはじめ、警察の発砲でアフリカ系米国人が死亡する事例が相次ぎ、全米に抗議行動が広がった。

 同州クヤホガ(Cuyahoga)郡のティモシー・マギンティー(Timothy McGinty)検察官は記者会見で、「大陪審は、提出された証拠と、警察による致死的な力の使用に関して適用される法に基づき、(関与した2警官の)刑事起訴を見送った」と発表した。

 事件当日の防犯カメラの映像によると、ライス君はパトカーが到着して数秒後に撃たれていた。ライス君は搬送先の病院で数時間後に死亡した。

 この事件が発生する数日前には、昨年8月にミズーリ(Missouri)州セントルイス(St. Louis)郡ファーガソン(Ferguson)郊外で、武器を持っていなかった10代のマイケル・ブラウン(Michael Brown)さんを射殺した白人警察官について、ミズーリ州大陪審が不起訴処分を決めたばかりだった。

 両事件は、人種が警察の行動にどう影響するかをめぐる全米規模の議論で頻繁に言及されている。(c)AFP