【12月24日 AFP】米国のディズニーランド(Disneyland)を訪れる予定だった英国のイスラム教徒の一家が、ロンドン(London)の空港で航空機への搭乗を拒否されていたことが分かり、デービッド・キャメロン(David Cameron)英首相が対応に乗り出すことになった。

 ロンドン在住のモハマド・タリク・マフムード(Mohammad Tariq Mahmood)さんは、自身の兄弟と、それぞれの子ども9人の計11人で今月15日、ロンドンのガトウィック空港(Gatwick Airport)で米ロサンゼルス(Los Angeles)行きの便に搭乗しようとしたところ、出入国管理当局に止められた。

 理由は説明されず、総額で約9000ポンド(約160万円)に上った航空券も今のところ払い戻されていないという。マフムードさんは英紙ガーディアン(Guardian)に対し、米当局は「全てのイスラム教徒が脅威だと思っているのだ」と語っている。

 一方、米税関・国境取締局(CBP)は声明で、今回の事例について直接の言及は避けながらも、宗教を理由に入国を拒否することはないと説明している。

 ロンドン選出の野党・労働党のステラ・クリーシー(Stella Creasy)下院議員はこの問題に対する調査をキャメロン首相に要求。官邸は首相がこれに対応する意向であることを確認した。

 クリーシー議員は23日付のガーディアン紙への寄稿で、米大統領選の共和党指名争いで首位を走るドナルド・トランプ(Donald Trump)氏がイスラム教徒の米国入国を禁止するよう主張していることに触れた上で、「トランプ氏の呼びかけに対しては非難が広がっているが、実際には逆のことが起きている」と懸念を示した。(c)AFP