【12月22日 AFP】米ネバダ(Nevada)州ラスベガス(Las Vegas)の繁華街で20日、歩行者に向かって繰り返し車を突っ込ませ、1人を死亡、30人以上を負傷させたとして逮捕されたレキーシャ・ホロウェイ(Lakeisha Holloway)容疑者(24)を殺人罪で訴追すると、当局者らが21日明らかにした。負傷者のうち3人は、頭部にけがをして重体となっている。

 ホロウェイ容疑者が事件を起こした際、車には3歳の娘も乗っていた。同州クラーク(Clark)郡のスティーブン・ウルフソン(Steven Wolfson)検事長が記者会見で明らかにしたところによると、ホロウェイ容疑者にはこれ以外にも「児童虐待とひき逃げの罪に加え、複数の殺人未遂罪も検討中」だという。

 当局によるとホロウェイ容疑者は20日午後6時30分(日本時間21日午前11時30分)ごろ、人通りの多いラスベガス・ストリップ(Las Vegas Strip)の数か所で歩行者に向かって車を突っ込ませた。容疑者に車を止めさせようと、目撃者らの多くがこの車の窓をたたいたりドアを開けようとしたりした。

 ラスベガスのジョー・ロンバルド(Joe Lombardo)保安官によると、同容疑者は事件を起こした後に近くのホテルに車で立ち寄り、駐車係に救急に通報するよう依頼。「自身の行為によって動揺した様子はなかった」としている。また、容疑者の娘は無事だという。

 さらにロンバルド保安官は、オレゴン(Oregon)州出身のホロウェイ容疑者は娘の父親と別居中で事件前の1週間は車中生活をしていたとみられ、ラスベガスを通ったのはテキサス(Texas)州にいる娘の父親に会いに行く途中だった可能性があると述べた。

 同保安官の話では、ホロウェイ容疑者に前科はなく、アルコールの影響もなかったとみられるが、薬物の専門家は「ある種の興奮剤の影響」を受けていたのではと指摘したという。

 保安官は逮捕時の容疑者について「冷静だった」と形容しており、「なぜ急に犯行に及んだのか、あるいは前もって計画していたのかどうかは分からない」と話している。

 当局は、ホロウェイ容疑者の背後関係について捜査しているものの、現時点ではテロの可能性はないとみている。(c)AFP/Jocelyne ZABLIT