【12月22日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長と欧州サッカー連盟(UEFA)のミシェル・プラティニ(Michel Platini)会長は、FIFA倫理委員会に対して徹底抗戦の構えを示している。

 FIFA側は、2011年にブラッター氏がプラティニ氏に200万スイスフランを超える資金を支払った件について「不正」であると糾弾。

 ブラッター氏は、FIFA倫理委が両者に下した8年間の活動禁止処分について、「パンチングボール」代わりにされた気持ちだと述べ、「最後まで戦い抜く」と宣戦布告した。

 FIFA関係者によれば、今回の処分でブラッター氏とプラティニ氏は、スイス・チューリヒ(Zurich)にあるFIFA本部に近づけなくなる。そして、ブラッター氏はFIFAの代表としてコメントすることが不可能となり、プラティニ氏は自ら尽力してフランス開催にこぎつけた欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)で、テレビ解説者としての仕事もできなくなるという。

 記者会見で「裏切られた」気持ちであり、「パンチングボール」のように利用されたと語ったブラッター氏は、スポーツ仲裁裁判所(CAS)へ提訴するとともに、必要であればスイスの裁判所へ提訴する意向を示した。

 また、倫理委には会長職を解任する権利はないと主張しているブラッター氏は、2011年の会長選で再選を果たしたが、その際にプラティニ氏に賄賂を持ちかけたことはないと強調している。

「何かの見返りに金銭を提示したことは、私の人生で一度もない。この疑惑は、私の心を本当に傷つけるものだ」

 一方プラティニ氏も声明で、FIFAの裁定は同氏の名前を「汚す」ことを意図した「見せ掛け」であるとコメントし、CASと司法へ訴えるつもりだと語っている。

「今回の裁定は、サッカー界から私を排除しようとする欲望のための哀れな隠蔽(いんぺい)工作にすぎない」

 FIFAは、不服申し立てについて10日間の猶予を与えるとしている。(c)AFP/Eric BERNAUDEAU