【12月20日 AFP】15クラブW杯(2015 FIFA Club World Cup)決勝のリーベル・プレート(River Plate、アルゼンチン)戦を翌日に控え、FCバルセロナ(FC Barcelona、スペイン)のルイス・エンリケ(Luis Enrique)監督は19日、病気のリオネル・メッシ(Lionel Messi)に関する陰謀を否定した。

 メッシは腎疝痛(じんせんつう)で17日に行われた準決勝の広州恒大(Guangzhou Evergrande FC)戦を欠場したが、アルゼンチン人の記者はこれについて「不可解」だという見方があるとの奇妙な見解を示した。

 困惑した様子を見せたエンリケ監督は首を振りながら、「いや、ちょっと待ってほしい。不可解なことはない。彼や他のことを隠したりしてはいない」と笑顔で応じた。

 その点を強調するように、メッシは横浜市内で行われたトレーニングに姿を見せた。これにより、大会史上最多となる3度目の優勝を狙うバルセロナが臨む決勝に、メッシが出場する見込みが出てきた。

 内転筋を痛めたネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)も状態が上がってきており、広州戦でハットトリックを記録したルイス・スアレス(Luis Suarez)とともに両選手が出場する可能性もある。

 エンリケ監督は詳しくコメントすることは避けたが、「メッシとネイマールはともに良い形で前進している」と述べた。

「決勝ということで厳しい試合を予想している。われわれは世界最高のチームになるためここにやってきたが、決勝というものには番狂わせの可能性もある」

 リーベル・プレートのマルセロ・ガジャルド(Marcelo Gallardo)監督は、当然バルセロナに分があると語っているが、バルセロナの主将アンドレス・イニエスタ(Andres Iniesta)は、試合を前に心理戦に入り込むことを避けた。

「そういったことに巻き込まれたくはない。もし僕らが本命だと言い出したら、やられてしまうこともある」

 一方、1986年にトヨタヨーロッパ/サウスアメリカカップ(TOYOTA European/South American Cup、通称トヨタカップ)を制しているリーベル・プレートの指揮官は、「歴史をつくるチャンスだ。バルセロナは世界最高のチーム。メッシ、ネイマール、スアレスがプレーすることを願う」と語り、柔らかな笑顔を見せた。

「こういった試合をする機会は滅多にない。大きな気持ちで、攻めることを目指して楽しみたい」

 準決勝でJリーグ1部(J1)のサンフレッチェ広島(Sanfrecce Hiroshima)を苦戦の末に1-0で破ったリーベル・プレートは、南米から長時間をかけて日本にやってきた約1万5000人のサポーターの声援を受けることになる。

 決勝のピッチ上で最も忙しい選手になるとみられるリーベル・プレートのGKマルセロ・バロベロ(Marcelo Barovero)は、指揮官と同様のコメントを口にしている。

「夢見ていた試合だ。日本へ長旅をしてきたすべてのファンにお返しをしたいね」

(c)AFP/Alastair HIMMER