アラビア語の宿題、世論反発で学区閉鎖 米国
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【12月19日 AFP】米バージニア(Virginia)州の高校で、アラビア語の古典的な筆記法の芸術性に対する理解を深めようと、生徒にアラビア文字の写し書きをする宿題を課したところ、世論の反発が起き、学区全体が18日、一時休校を余儀なくされる事態となった。
バージニア州ストーントン(Staunton)にあるリバーヘッズ高校(Riverheads High School)では、世界地理の授業でシャリル・ラポルテ(Cheryl LaPorte)教諭が生徒たちに、イスラム教の聖典コーラン(Koran)の中の信仰を表現するアラビア語の言葉を、手書きで書き写してくるよう宿題を出した。しかし、この宿題に関する情報がソーシャルメディア上で拡散し、世論の強い反発が広がったため、教育当局は授業を中止し、同市が属するオーグスタ(Augusta)郡全体の生徒1万人が自宅待機を課された。また週末のクラブ活動なども中止された。
同郡の教育当局は「生徒に対する具体的な脅迫はないが、18日、学校と学校事務局を休みとする。こうした措置を遺憾に思うが、警察や郡教育委員会の勧告に基づき今回の決定に至った」と発表した。
こうした事態は、先月カリフォルニア(California)州でイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に影響されたイスラム教徒の夫婦が銃乱射事件を起こしたことを受けて高まっている米国の反イスラム感情を浮き彫りにしている。(c)AFP