【12月19日 AFP】独ニュース週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)は18日、2006年サッカーW杯の招致において、ドイツサッカー連盟(DFB)が国際サッカー連盟(FIFA)元副会長のジャック・ワーナー(Jack Warner)氏に対し、票の見返りとして総額数億円に及ぶ便宜を図っていたと報じた。

 10月に票の買収の一報を報じた同誌は、ワーナー氏と同氏が会長を務めていた北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)が、DFBから得る利益についての詳細が書かれた契約書について伝えている。ワーナー氏は、今年5月に巨額の贈収賄により米当局に起訴された14人のうちの一人。

 なお、DFBは取引があったことは認めているが、契約書は最終的なものではないと主張している。

 同誌は、DFBからワーナー氏に最も高価な座席のW杯観戦チケット1000枚がインセンティブとして提供されており、これを売却すれば数十万ドルになると報じている。

 また同誌は、「仲介人」がこの取引で24万ドル(約2900万円)を得て、さらにアディダス(Adidas)社のボール、バッグ、シューズといった400万ドル(約4億8000万円)相当の商品が送られたと報じている。

 なお、ブンデスリーガ1部の強豪バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)も不正への関与が疑われている。

 フランツ・ベッケンバウアー(Franz Beckenbauer)氏は、当時クラブの会長を務めており、疑惑の契約によりバイエルンは、毎年CONCACAFのチームと3週間トレーニングをすることになっていた。

 DFBはベッケンバウアー氏がサインをしたCONCACAFとの契約書の存在を認めており、独日刊紙ビルト(Bild)は11月、この契約が票の買収を目的とした合意だったと報じている。

 開催地決定の決選投票でドイツは、12対11で南アフリカを破って大会ホスト国となっている。(c)AFP