薬価50倍つり上げで物議の米製薬会社CEO、詐欺で逮捕
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【12月18日 AFP】AIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)患者向け感染症治療薬を50倍も値上げして今年9月に物議を醸した米製薬会社チューリング・ファーマシューティカルズ(Turing Pharmaceuticals)のマーティン・シュクレリ(Martin Shkreli)最高経営責任者(32)が17日、詐欺の容疑で逮捕された。米検察当局が明らかにした。
元ヘッジファンド経営者のシュクレリ氏は、寄生虫感染症治療薬「ダラプリム(Daraprim)」の権利を買い取った直後の9月、薬価を1錠13.50ドル(約1600円)から同750ドル(約9万円)へと引き上げて政界などから怒りを買ったが、悪名を馳せていることを喜ぶかのような振る舞いをみせていた。
ただ、逮捕容疑は、薬価つり上げとは関係がないという。米連邦捜査局(FBI)によれば、シュクレリ容疑者には「数々の虚言、ごまかし、強欲が絡んだ証券詐欺」を通じて計1100万ドル(約13億5000万円)を横領した疑いがかけられている。
一方、検察は、同容疑者が経営していたバイオ企業レトロフィン(Retrophin)とヘッジファンド2社も詐欺に関与しているとみている。米ニューヨーク(New York)東部地区を管轄するロバート・ケーパー(Robert Capers)連邦検事は記者会見で、シュクレリ容疑者は2009年から「複数の詐欺に関与し、投資家を陥れるため虚偽の網を張り巡らしていた」と述べた。
シュクレリ容疑者はまた、米証券取引委員会(SEC)からも詐欺の疑いで告発された。
シュクレリ容疑者は全ての容疑について否認している。
検察によるとシュクレリ容疑者はその後、500万ドル(約6億1000万円)を払って保釈された。レトロフィンの外部顧問を務めていたエバン・グリーベル(Evan Greebel)弁護士も逮捕されたが、100万ドル(約1億2000万円)を払って保釈されたという。(c)AFP/Thomas URBAIN