【12月18日 AFP】来日したオーストラリアのマルコム・ターンブル(Malcolm Turnbull)首相は18日、安倍晋三(Shinzo Abe)首相との会談に先立ち、日本が南極海(Antarctic Ocean)での調査捕鯨再開を決めたことに「非常に失望している」と述べた。

 日本の調査捕鯨船団は今月、南極海へと出航したが、これに対してオーストラリアやニュージーランドなど33か国が正式に抗議している。調査捕鯨船団は昨年も同海域へ向かったが、クジラの捕獲は行わなかった。

 オーストラリアの主要同盟国である日本をターンブル首相が訪問するのは就任以来初めて。滞在中、両国の間では防衛協力や貿易など多岐にわたるテーマが話し合われ、論争の的になっている捕鯨問題も議題として取り上げる予定だ。

 ターンブル首相は安倍首相との会談でこの問題を取り上げる考えを重ねて示しつつ、双方は「良い友人」として、意見が異なる点については率直に話し合い、解決策を見いだしていく必要があるとも強調した。

 オーストラリアは2010年、日本が年に1度実施する調査捕鯨を阻止するため、国際司法裁判所(ICJ)に日本を提訴した。環境保護活動家らも調査捕鯨を激しく非難しているが、日本は伝統的な食文化のために不可欠だとしている。(c)AFP