【12月17日 AFP】女子サッカー界で約20年にわたり日本代表の支柱的存在となり、2011年には世界年間最優秀女子選手「女子FIFAバロンドール(FIFA Ballon d'Or)」にも選出された澤穂希(Homare Sawa)が16日、所属事務所を通じて現役引退を表明した。

 日本代表として出場した205試合で83得点を記録している37歳の澤は、優勝を果たしたW杯ドイツ大会(FIFA Women's World Cup 2011)を含めてW杯に6回出場。五輪にも4回出場し、2012年のロンドン五輪では銀メダルに輝いた。

 所属事務所は詳細を明らかにせず、澤が17日に開かれる記者会見で説明すると述べている。

 澤は、長い現役生活においてピッチ内外で最も称賛されている日本人選手の一人となっている。

 2011年にドイツで開催されたW杯で、澤は主将として日本の大会制覇に貢献。米国を破った決勝を含め、計5得点を記録して得点王に輝くと、大会の最優秀選手(MVP)にも選ばれた。

 同大会でPK戦の末に劇的な優勝を果たした結果、数か月前に福島で原発事故が起きるなど暗いニュースが続いていた日本では、女子サッカーの人気が爆発した。

 澤は15歳で日本代表に招集されると、あっという間に中心選手となったものの、幅広く着実にファンを獲得していた男子と比べ、当時の女子サッカーはマイナースポーツとしてみられていた。

 しかし、女子サッカーのW杯制覇は世界を驚嘆させ、大災害に見舞われた日本に喜びを与えた。

 澤はまた、今年6月から7月にかけて開催されたW杯カナダ大会(FIFA Women's World Cup 2015)にも代表選手として出場したが、日本は2-5で米国に敗れ準優勝に終わった。

 敗戦後に澤は、「これが私にとって最後のW杯。悔いはありません」とコメントしていた。(c)AFP