トランプ節が伝染?米共和党、大統領候補討論会
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【12月16日 AFP】2016年米大統領選、共和党指名争いの候補たちによる5回目の討論会が15日、米ネバダ(Nevada)州ラスベガス(Las Vegas)で行われ、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」や移民問題の他、候補の一人のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が掲げ物議を醸している「イスラム教徒の入国禁止」まで、幅広い政治課題をめぐる各候補の主張が展開された。
この日、参加した9候補で目立った10の発言を取り上げる。
■闘いの人生
「私は試練をくぐってきた。乳がんを克服し、子どもを失いもした。ありとあらゆるBワード(侮蔑語)を浴びせられながら、米ビジネス界のトップに上り詰めてきた」──コンピューター大手ヒューレット・パッカード(HP)の元最高経営責任者(CEO)、カーリー・フィオリーナ(Carly Fiorina)氏による非常に個人的で感情的な論戦開始の辞。
■「勝つ」と「偉大」のトランプ氏
「わが国では何も機能していない。もし私が大統領に選ばれれば、われわれは再び勝てる。われわれは勝ち続け、偉大な、偉大な国となり、以前よりもその偉大さを増すだろう」──選挙スローガンに「偉大なアメリカを取り戻す」を掲げる不動産王ドナルド・トランプ氏。
■他言に動じず
<トランプ氏に向かって>「ドナルド、そんな侮辱を言うばかりで大統領になれるだろうか。無理だろう」──トランプ氏からたびたび「活力に欠ける」と冷笑される元フロリダ(Florida)州知事、ジェブ・ブッシュ(Jeb Bush)氏が自分なりの方法で反撃しての発言。
■子どものけんか風
「今話すのは君かい、それとも私かい?下がってくれ。途中で割り込んだだろう、ジェブ、謝るつもりはないのか?最後まで終わらせてもいいかね。ちょっと、終わらせてもいいかね」──トランプ氏VS.ブッシュ氏、校庭でのけんか風。
■国境に壁を、支払いはトランプ氏に
「私が大統領に選ばれた暁には、国境の安全を確保する。国境警備は3倍に増やし、効果的な壁を建設する。その代金は、トランプ氏に払ってもらう」──テッド・クルーズ(Ted Cruz)上院議員、場を和ませる発言。
■弱虫
「もしもロシア軍機のパイロットが、(大統領となった私のことを)現在の大統領のような無力で弱虫な大統領だと考えるほどに愚かであれば、われわれはロシア軍機を撃墜するだろう」──ニュージャージー(New Jersey)州のクリス・クリスティー(Chris Christie)知事が、自分が大統領になった後に、仮にシリアに飛行禁止区域を設置し、それをロシア軍機が侵犯した場合の対応について説明しながら、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領を批判。
■鼻に一発
「今こそ、ロシア人たちの鼻に一発、かましてやる時だ。わが国は立ち上がらなければならない」──ロシア政府とウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と、いかに対峙(たいじ)するかを聞かれて答えたオハイオ(Ohio)州知事、ジョン・ケーシック(John Kasich)氏。
■IS参加した国民には黙秘権、要らない
「米国市民がISIS(ISの別称)への参加を決意した場合、その人物に『権利の告知』を読み上げる必要はない」──イスラム過激派組織ISを打倒する戦略の一部を説明したマルコ・ルビオ(Marco Rubio)上院議員。「権利の告知」には黙秘権が含まれる。
■カオス理論
「シリアでは人々が体制変革を求めた。イラクでも、リビアでも。でも、うまくいってない。カオスが生じるだけだ」──イラクのサダム・フセイン(Saddam Hussein)政権打倒が「成功」だったと思うかと尋ねられたランド・ポール(Rand Paul)上院議員。
■米国に救急治療を
「今、患者なのはアメリカ合衆国だ。しかもこの患者は重体で、ポリティカルコレクトネス(中立で差別を含まない発言や行動)で救うことはできないし、また、怯えていては救うことができない」──元神経外科医のベン・カーソン(Ben Carson)氏。
(c)AFP