賛否両論、南アフリカで広まるバンティング・ダイエット
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【1月1日 AFP】南アフリカ・ケープタウン(Cape Town)にある貧しい黒人居住区でナスリーン・ライリー(Nasreen Riley)さん(42)が作っているのは、鶏レバーのバターフライ、濃厚クリームトマトソース添え。主に中流階級に広がるダイエット法として注目を集めている「バンティング・ダイエット」と呼ばれる食事療法に基づいて考案された一品だ。
バンティング・ダイエットという名は、1860年代に初めてこれを提唱した英国人、ウィリアム・バンティング(William Banting)氏にちなんでいる。
パン、米、パスタ、砂糖は取らず、代わりに肉、バター、チーズ、クリームを大いに楽しむというこのダイエット法への栄養士たちの評価は分かれており、批判もある。それにもかかわらず、南アフリカの中でも特に肥満が大きな問題となっている最貧地区でバンティング・ダイエットが広まり始めている。
「服がぶかぶかになってきて、肌のつやもよくなった。変化は目で見て分かるようで、周りの人たちからも褒められる」と語る、事務職のライリーさん。8週間で7キロの減量に成功したという。
バンティング・ダイエット普及の原動力になっているのは、同国の女優・タレントでこの食事療法を信奉するユオーディア・サンプソン(Euodia Sampson)さんと、栄養学を専門とするティモシー・ノークス(Timothy Noakes)教授だ。
ノークス教授の考えによるとバンティング・ダイエットは、加工食品が登場してシリアルや穀類などの炭水化物をどんどん食べるべきだと言われるようになる前の、昔の食生活に回帰することだという。
レバーや腎臓、膵臓(すいぞう)、骨髄、脳、豚足といった安い部位を使えば1日1人当たりの食材費は30ランド(約240円)程度で財布にも優しい。