故カダフィ大佐の息子、レバノンで誘拐される
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【12月12日 AFP】リビアの最高指導者だった故ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の五男で、実業家のハンニバル・カダフィ(Hannibal Kadhafi)氏が10日、レバノンで武装集団に誘拐される事件があった。レバノンの治安当局筋が明らかにした。
ハンニバル氏は同日夜に警察に保護された。
1975年生まれのハンニバル氏は、カダフィ大佐を失脚に追い込んだ反政府運により2011年にリビアの首都トリポリ(Tripoli)が陥落した後、カダフィ大佐の妻サフィア(Safia)夫人や兄妹と共に隣国アルジェリアに逃れていた。
レバノン国営通信によると、同氏が誘拐されたのはレバノン東部のベカー(Bekaa)高原。誘拐犯らは、1978年から行方不明となっているレバノンのイスラム教シーア派(Shiite)指導者のムッサ・サドル(Mussa Sadr)師に関する情報を要求したという。ベカー高原にはシーア派の原理主義組織ヒズボラ(Hezbollah)の拠点がある。
レバノンのシーア派の間ではサドル師の行方不明事件の背後にリビアの存在があったと疑われており、以前からカダフィ一家は歓迎されてこなかった。
リビアの元アラブ連盟(Arab League)大使、アブデル・ムネイム・ホニ(Abdel Moneim al-Honi)氏は2011年、中東紙アルハヤト(Al-Hayat)に対し、サドル師はリビア訪問の際に命令によって殺害され、遺体は南部サブハ(Sabha)に埋められたと語っていた。
ハンニバル氏とレバノン人の妻アリーネ・スカフ(Aline Skaff)夫人は2008年、スイス・ジュネーブ(Geneva)の高級ホテルで、チュニジア人とモロッコ人の使用人2人を虐待したとして逮捕されている。しかし、当時のリビア政権が抗議し不起訴と謝罪を要求したことから、起訴はされていない。(c)AFP