【12月11日 AFP】シリア反体制派の中心的な各勢力の代表は10日、サウジアラビアの首都リヤド(Riyadh)で初めてとなる大規模な会合を開き、これまで実現してこなかったバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権との和平交渉に応じる方針で一致した。一方で、政権移行プロセスの開始と同時にアサド氏が退陣することを改めて要求している。

 同日の会合には、シリア反体制派のさまざまな政治団体や武装勢力の代表者らが出席。先に主要国が提示した交渉の枠組みに合意し、声明で、「参加者らは、国連(UN)との間で取り決める時間枠にのっとって、シリア政権側の代表と交渉していく用意がある」と述べた。

 その一方で、先月主要国がオーストリアのウィーン(Vienna)で定めた「移行期間の始まりと同時に、アサド氏とその側近らが退陣」することを強く求めた。

 反体制派の最大勢力の一つである「アハラール・アルシャーム(Ahrar al-Sham)」は一時、会合からの離脱を表明したが、会合関係者や欧米の外交官らによると、後に同グループも合意に署名したという。ただ、この情報の真偽は確認されていない。

 5年近く続いてきたシリア内戦を終結させることを目的に、過去最大の外交努力として、アサド氏支持派と反アサド派の17か国の外交トップが先月、ウィーンで協議し、政権移行への行程表をまとめた。具体的には、半年以内に暫定政府を樹立、1年半以内に選挙を実施するとしており、それに先立ち反体制側と政権側との直接交渉を来年1月1日までに行うとしている。

 10日に締結された合意の中で反体制派は、直接交渉に当たるチームの諮問機関として、リヤドに「交渉のための最高委員会」を設置することを決めた。交渉に当たるメンバーも、その委員会が選出するとしている。反体制派内の情報筋によると、その委員会は30人の委員からなり、うち3分の1は武装勢力の代表になるという。

 こうした一方、米国はスイスのジュネーブ(Geneva)で11日、ロシアや国連とシリア問題について協議に臨む。シリアでは2011年3月に内戦が始まって以来、25万人以上が死亡し、数百万人が家を追われている。(c)AFP/Karim Abou Merhi and Abdul Hadi Habtor