研修医の3割が「うつ」、米研究 医療の質への影響も
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【12月9日 AFP】研修中の若手医師のうち、3分の1近くがうつ病や抑うつ症状を患っているとの調査研究が8日、米国で発表された。治療行為に悪影響を与える恐れもあると警鐘を鳴らしている。
調査は1963年までさかのぼって研修医1万7000人余りを対象に実施したもので、米国医師会雑誌(Journal of the American Medical Association、JAMA)に発表された。
米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(Brigham and Women's Hospital)と米ハーバード大学医学部(Harvard Medical School)のダグラス・マタ(Douglas Mata)医師が率いたこの調査は、医師計1万7560人のデータが含まれる研究54本の系統的レビューやメタ分析を行った。
うつ病や抑うつ症状を患う研修医の比率に関する情報が含まれる先行研究を分析したところ、こうした病気や症状にかかっていた医師は1万7560人中5000人近くと、全体の29%に達することが分かった。
多くの若手医師にとって研修期間中はストレスが大きく、睡眠もあまり取れないことが多い。これまでの調査で研修医は一般の人よりもうつ病にかかる比率が高いことは知られていたが、その具体的な比率が明らかにされたのは今回が初めて。
過去の調査では、研修医の抑うつ症状が患者ケアの質の低下や医療ミスの増加につながる恐れも指摘されていた。
今回の調査に当たった研究者らは、卒後医学教育(医学士の学位取得後の教育)を受けている人のうつの予防・治療方法を見いだすには、研究をさらに重ねる必要があると指摘している。(c)AFP